「JRGA標準」で最高の品質をお届け致します

公開業務マニュアル(目次)
<「JRGA標準」>
「JRGA標準」は、「おこしれん」が採用する表記基準・ルールの総称です。
「テープ起こし辞書(JRGA辞書)」については、こちらをご覧ください。
また、反訳スタイルその他については、下記をお読みください。
<反訳スタイル>
反訳スタイルは、主に、
1.逐語反訳
2.標準反訳(準標準反訳及び標準反訳)
3.編集反訳
の三つです。
これらのほかに、法律事務所関連プロジェクトを中心に、無機能語を削除しない「完全逐語反訳」のものがあります。また、編集反訳よりもさらにコンパクト(オリジナル原稿の3割程度まで要約)にする「要約反訳」(要約編集)もお客様の依頼があります。

■逐語反訳
発言者の発言内容を、そのままほぼ「100%」反訳するスタイルです。
通常、「無機能語」と呼ばれる、「えーと」、「あのー」、「こう」、「やっぱり」などを削除します。
「逐語反訳は、「素起こし」や「毛羽取り」と呼ばれることがあります。

逐語反訳においては、読みやすい反訳原稿を作成するために、「毛羽取り」をするだけではなく、読みやすい日本語文章を作成するために、積極的に最低限必要な整文(修文)に配慮して「言葉の欠落」や「言葉の崩れ」に対応します。特に助詞の活用に注力して反訳します。
例えば「私、行きます」ではなく「私が行きます」のほうが、読点を不要とすることで読みやすくなりますので、必要に応じて
逐語反訳でも最低限の整文(修文)を行います
「私、彼、言ったのに」ではなく、「私、彼に言ったのに」あるいは「私は、彼に言ったのに」と反訳します。
例えば「今」の副詞の使用も、「今、行きます」ではなく「今行きます」と動詞に直接掛かる場合には読点を打たずに読みやすく反訳します。この場合「私」など主語が入る場合には、「今、私が行きます」とします。


また、逐語反訳においても、必要と思われる場合には、語尾を補足して文章を完成させたり、読みやすい整文・修文を行います。
「これがその計画。」を「これがその計画です。(これがその計画だ。)」のほうが適切と思われる場合には、語尾を補足します。


また、話者の発言を、
「・・・ですけれども。」
「・・・となってきまして。」
などで句点処理をする場合、必要があれば(適切と考えられれば)、
「・・・です。」
「・・・となってきました。」
と反訳します。

明らかな言い回しの誤りは、必ず訂正します。特に、通訳物の場合には、日本語として普通使用されている表現にすべて整文・修文します。
通訳は、日本語の文章構造で正しく話すことができない場合がありますので、臨機応変に常に「読者の視点」で反訳します。これは標準か逐語かなど反訳スタイル以前の「日本語の文章を表記する」ことです。
発言どおりに100%そのまま反訳するのは、「完全逐語反訳」に限定されます。

また、語尾が「ございます」となる「ございます文章」については、逐語反訳の場合でも、あいさつなど特別な場合を除き、通常の文章の中では極力わかりやすい普通の文章表現とします。通訳物についても同様です。

<通訳物は常に準標準反訳です。>
特に、通訳物で外国語と日本語訳が並記される場合、読みやすくできると判断されれば、
「・・・バリュー、価値について・・・」
ではなく
「・・・バリュー(価値)について・・・」
と日本語訳を括弧に入れて表記します。

同様に、発言順序によっては「広告代理店(エージェント)」のように英語が括弧に入る場合もあります。

通訳物でない通常反訳においても、反訳スタイルに関係なく、例えば
「OPEC、石油輸出国機構が・・・」
「米国食品医薬品局、FDAでは・・・」
などと発言されている場合、
「OPEC(石油輸出国機構)が・・・」
「米国食品医薬品局(FDA)」では・・・」
のようにいずれかを括弧にいれてコンパクトにします。

同様に、反訳スタイルに関係なく、専門用語・業界用語においても、
「エマージングテクノロジー(新たに勃興してきている創薬技術)について・・・」
「アンメットニーズ(まだ満たされていないニーズ)がある・・・」
「現在のマーケットキャップ(株価に株式数を掛けたもの)は2兆円で・・・」
といった反訳にも応用します。

また、通訳物の場合、担当通訳者の固有な口癖、言い回しについては、必ずこれを適切な表現に訂正することが必要です。
必ず、「ですから・・・」などと同じ言葉から始めたり、「・・・ね」、「・・・ということです」と終わったり、発言者本人が言わない表現には特に注意します。
通訳物は、いつでもまず文章の構造を正してから、日本語表現を反訳する準標準反訳スタイルで反訳します。
男性が発言者である場合、女性通訳が女性言葉で話す特有の話し方は整文・修文します。

<外来語表記の中黒について>
外来語表記については、
(1)2語から成る複合語は原則として中黒を付けません
(2)中黒を付けない2語から成る同一複合語が、別の単語を加えて三つ以上の複合語になった場合でも、「2語を1語として表記」します。

★「言葉の欠落」について(特に疑問文について)★★
逐語反訳においても、「言葉の欠落」について配慮します。
ここには、「食べます(尻上がりの抑揚)」は「食べますか。」あるいは「食べます?」の両方の例示がありますが、統一表記の点から反訳スタイルに関係なく(逐語反訳においても)基本的に「食べますか。」と表記します。

しかし、一部の対談などにおいては、「言葉の欠落」を含んだ双方の軽快な会話のやり取りそのものが「スタイル」として尊重されるべき場合もあります。
また、会話を引用する場合、
「どうして言ってくれなかったん?」と言われて・・・
「行ってきたの?」と聞くと・・・
と発言内容をそのまま生かすことが必要な場合もあります。
(発言内容を引用する場合には、標準反訳・編集反訳においても整文(修文)をしないでそのまま引用します。)

統一表記の観点から、「?」を使用するのではなく、文章によって読みやすく整文(修文)した反訳文章を作成しますが、一方で臨機応変な対応が求められるため、リライター、プルーフリライターによって「?」の活用に幅があり、対応が異なる場合があります。
多くの経験を積むことによって、より望ましい反訳を心掛けてください。

■準標準反訳と標準反訳
反訳対象は、
(1)インタビュー、対談、意見交換のための会議,、パネルディスカッションなど、発言者の発言内容をほぼそのまま反訳する「準標準反訳」(ただし、文章の構造、接続詞、「てにをは」、重複など必要な整文・修文を行います。)
(2)多くの聴衆を相手に行われる講演会のように、発言者の内容を「話し言葉」から「書き言葉」に書き換え、より簡潔で読みやすくわかりやすい講演録とするために必要に応じて5%程度を削除する「標準反訳」
に大きく分かれますが、シンポジウムのように上記の二つが常に混在(基調講演とパネルディスカッション)しているものもあります。

★最終的な反訳スタイルについては、お客様が記載する「承り書」ではなく、「受注書」を確認してください。
1.「逐語」は、完全逐語反訳、逐語反訳、準標準反訳のいずれかを指しています。
お客様が「標準反訳」を指示しているインタビュー、対談、会議、意見交換会などは、「準標準反訳」となります。
会議・意見交換会などには、参加者が10分、20分、30分などにわたって報告をするケースが多々ありますが、この場合には、反訳スタイルの指示が「準標準反訳」であっても、できるだけ標準反訳スタイルで反訳します。
「準標準反訳」は、お客様が「標準反訳」を希望しているが、標準反訳にすると発言内容の微妙なニュアンスが失われてしまうため、語尾や話し方そのものを記録に残す反訳スタイルです。報告・講演では、話し方ではなく、話す内容そのものが重要であり、余分な言い回しや余計な説明を省いて中身をわかりやすく伝えることに注力します。
2.「標準」は、標準反訳、編集反訳のいずれかを指しています。

「注意点その1」:講演会でもお客様が逐語反訳指定のものは逐語反訳で反訳しますので、「受注書」を確認してください。
「注意点その2」:方言は下記リンクから関連する地域の方言辞書を参照して標準語として表記してください。
「方言辞書」はこちらから。


★俗語
「俗語」については、「日本語俗語辞書」を参照してください。

講演会、シンポジウムの基調講演などにおいては、単に倒置を直すだけの校正ではなく、「わかりやすく簡潔な文章」にすることが求められます。
講演会の内容は、
※「分かりやすく読みやすい」文章にウエイトを置いて特に簡潔な反訳文章とする
※口語表現特有の無機能語、言い回しを削除してより簡潔な反訳文章とする
※尊敬語・謙譲語・丁寧語を加工してより簡潔な反訳文章とする
必要があります。
また、市販の書物を読むように校正反訳することが大切で、「その場」特有な、
※先ほどお話しした・・・
に代表される「現場表現」を削除・修文することが求められます。

インタビューと異なり、講演会の反訳では、下記のような発言者の「癖言葉」を削除して簡潔な表現とします。
<口語表現特有の無機能語・言い回し>
●あと
●ちょっと
●今
●いわゆる
●こう
●けれども
●結構
●それから
●やっぱり

<発言者処理>
反訳指定の「発言者処理」は、リライトグラフィーの大切な部分です。
「発言者処理」は、「承り書」で
@標準処理(不明のみ「−−」と入力」
A同封資料により名字を入力
Bすべて「−−」と入力
Cその他
の4項目が立てられていますが、「B」以外はすべての発言者の聞き分け処理が必要になります。

「発言者」は固有名詞です。
しっかり調査・確認して確定表記してください。
■発言者の聞き分け
発言者の「聞き分け」処理が必要な場合には、発言者氏名を入力します。
通常発言者氏名は「苗字」のみでよしとし、
広川
広川(妻)
のように入力します。
「妻」の名前がわかる場合には、
広川一郎
広川美智子
のように姓名(苗字と名前)を入力します。

詳細な発言者リストが提示されている場合には、苗字と名前の両方を入力します。
家族の場合には、姓名が不明の場合、
吉川真理子
吉川(母)
吉川(父)
吉川(姉)
吉川(兄)
のように入力します。
ケースによっては、姓名が不明の場合に
中川(社長)
中川(部長)
のように役職名で聞き分け表記することもあります。

家族以外では、
中川健
中川太
のように「名前の最初の1文字」を入力します。
「中川(健)」のように名前を括弧に入れません。
1文字目が同じ場合には2文字目までを入力してください。
完全な同姓同名の場合には、
中川A
中川B
とします。

氏名が分からない場合には、



のようにアルファベット入力します。
英数半角指示の場合でも、必ず全角で入力します。

発言者がA、B、Cの3人で、聞き分けができない場合には、

−−

のように「聞き分けできない発言者」を「マイナス記号」を入力してください。

特別の指示がない限り、「司会」「事務局」「聞き手」「通訳」などは入力しません。
アルファベットによる発言者処理をしてください。

通訳の発言者処理については、「通訳」ではなく「本人」の名前で発言者処理をします。
ただし、通訳が本人の代弁ではなく発言する場合がありますので、この場合には、
通訳
として発言者処理をします。
本人の通訳をしている場合でも、「・・・と言っています」のような訳され方をする場合には、逐語反訳の場合でも整文・修文して適切な日本語とします。

なお、インタビューの場合には、
(1)回答者は、A、B、C・・・
(2)質問者は、Q、R、S・・・
のように発言者処理をします。



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