(4)基本表記−発言者処理について
反訳指定の「発言者処理」は、リライトグラフィーの大切な部分です。
「発言者処理」は、「承り書」で下記の4項目が立てられていますが、「B」以外はすべての発言者の聞き分け処理が必要になります。

@標準処理(不明のみ「−−」と入力します。)
(1)資料、音声ファイル、承り書等で発言者名が確認できる場合、いずれも名字だけの記載の場合がありますが、
−−−名前の括弧書き併記は不要です。発言者処理においても、本文においても不要です。
(2)資料等で発言者名が確認できない場合
−−−(A)本文に氏名が登場する場合
−−−−−−発言者処理の初回登場時は名字のみとし、本文の初回登場時に括弧書きにて併記します。
−−−(B)本文に氏名が登場しない場合
−−−−−−発言者処理の初回登場時に括弧書きにて名前を並記します。
A同封資料により名字を入力
名前の括弧書き併記は不要です。発言者処理においても、本文においても不要です。
Bすべて「−−」と入力
Cその他
発言者名は、指示どおり表記します。本文中に氏名が登場する場合、名前の括弧書き併記は不要です。


「発言者」は固有名詞です。
しっかり調査・確認して確定表記してください。

■発言者の聞き分け
発言者の聞き分け処理は、最低限「同性3人まで」(男女合わせて6人まで)のものは聞き分けます。
それ以上のものは、できる範囲で聞き分け処理をします。


発言者の「聞き分け」処理が必要な場合には、発言者氏名を入力します。
通常発言者氏名は「苗字」のみでよしとし、
広川
広川(妻)
のように入力します。
「妻」の名前がわかる場合には、
広川一郎
広川美智子
のように姓名(苗字と名前)を入力します。

詳細な発言者リストが提示されている場合には、苗字と名前の両方を入力します。
家族の場合には、名前が不明の場合、
吉川真理子
吉川(母)
吉川(父)
吉川(姉)
吉川(兄)
のように入力します。
ケースによっては、名前が不明の場合に
中川(社長)
中川(部長)
のように役職名で聞き分け表記することもあります。

家族以外では、
中川健
中川太
のように「名前の最初の1文字」を入力します。
「中川(健)」のように名前を括弧に入れません。
1文字目が同じ場合には2文字目までを入力してください。
完全な同姓同名の場合には、
中川A
中川B
とします。

氏名が分からない場合には、



のようにアルファベット入力します。
英数半角指示の場合でも、必ず全角で入力します。

発言者がA、B、Cの3人で、聞き分けができない場合には、

−−

のように「聞き分けできない発言者」を「マイナス記号」を入力してください。

特別の指示がない限り、「司会」「事務局」「聞き手」などは入力しません。
アルファベットによる発言者処理をしてください。

通訳の発言者処理については、「通訳」ではなく「本人」の名前で発言者処理をします。
ただし、通訳が本人の代弁ではなく発言する場合がありますので、この場合には、
通訳
として発言者処理をします。

インタビュー、講演、シンポジウムなどの場合には、
(1)回答者は、A、B、C・・・(Nまで)。
〜「N」の次は、AA、BB・・・となります。
(2)質問者は、Q、R、S・・・(Zまで)。
〜「Z」の次は、QQ、RR・・・となります。
のように発言者処理をします。

座談会や会議など、1人の発表に対して、全員で質問をし合ったりして話を進めていく場合には、全員が出席者ということで、A、B、Cで構いません。
この場合、「A」から始まって、続けて「Z」まで表記します。

ご注意ください。
まれに、講師(講演者)が受講者(聴衆)に対して質問する場合があります。
この場合は、講師(講演者)が質問者になるため、受講者(聴衆)は、「A」からの発言者処理になります。

<複数同時発言>
話者が複数で同時に発言する場合があります。
話者を特定してそれぞれの内容を反訳します。順番は臨機応変に対応してください。

話者が複数で同時に「同じ内容」を発言する場合があります。
例えば、唱和する、歌を歌う・・・といった場合です。
これらの場合の発言者処理は、
−−
マイナス記号二つを入力します。

◎発言者聞き分けの必要なプロジェクトの情報共有◎
発言者の聞き分けは、リライトグラフィーの基本要件です。
お客様から「聞き分け」指示の有無に関係なく、全体の発言者処理を統一表記するために、冒頭部分の担当者が「発言者特性メモ」を作成してメーリングリストに告知します。
発言者特性は、「明るい声」、「若い声」などだけではわかりにくい場合がありますので、話す速度や独特の言い回しのニュアンス、方言などの個性的な特徴について記載してください。
「標準処理」指定で名字が判明した場合には、メーリングリストに氏名を併記してください。

<発言者特性メモ>(例示)
Q・・・メインの質問者。男性。めりはりのあるはっきりとした話し方。関西弁。(最初に登場)
R・・・太くい声の男性か。早口で少し高めの声。(5分10秒)
S・・・女性。(10分15秒)
A・・・メインの回答者。男性。高齢者か。弱々しいのですぐわかります。(1分30秒)
B・・・回答者。男性。中年か。普通の話し方。標準語です。(1分50秒)

特急プロジェクトなどで一つのファイルを複数のリライターが担当した場合、時間的な制約から発言者処理で十分な情報共有ができない可能性もあります。
その場合は、それぞれの担当部分で、発言者の聞き分け処理を行ってください。
「−−」処理をすると、あとから発言者処理の変換処理ができませんので、必ず記号を入力してください。

<テープ音源による発言者処理には注意してください>
テープ音源を使用して同一プロジェクトを複数のリライターが分割反訳をする場合、発言者処理は全員が「A」あるいは「Q」から聞き分け処理をしないように工夫も必要です。
第一担当リライター(1本目A面担当者)は、メーリングリストに告知する場合、使用したアルファベットが「AからDまでの4人」であることを併記すると、第二担当リライター(1本目B面担当者)は、「E」から発言者処理ができます。
プルーフリライターがA面・B面のファイル統合をする場合、両面で同じ記号で発言者処理をされると発言者一括変換処理が難しくなります。
テープ音源では、音声ファイルのような発言者の確認ができませんので、A面の「Aさん」とB面の「Aさん」は同一人物ではないことが多々あります。

<音声ファイルは情報共有が可能>
長時間音声ファイルを複数リライターに分割発注することがあります。
この場合、同一ファイルを使用することから、全員が冒頭部分を聞くことで発言者聞き分けが容易になります。

とはいえ、やはり冒頭担当者が「発言者特性メモ」を作成して情報共有することが効率的です。
メーリングリストで告知する場合には、最初に登場する「時間」を併記することで、当該部分の確認が簡単にできるようになります。


 ■CSメモ
プロジェクト担当者からお客様に伝えたほうがよいさまざまな情報を「CSメモ」として反訳原稿と一緒に「納品ボックス」納品します。
「CSメモ」(Wordファイルのもの)をダウンロードして作成します。
「CSメモ」はこちらからダウンロードできます。

CSメモの作成者は、担当リライター、担当プルーフリライターです。
(1)担当リライターは、CSメモを作成して担当プルーフリライターに反訳原稿と一緒に「JRGAボックス」納品してください。
(2)担当プルーフリライターは、CSメモを作成して担当納品担当者に反訳原稿と一緒に「JRGAボックス」納品してください。担当リライターから受け取ったCSメモを改訂(含む・訂正、加筆、追加など)して作成することができます。
お客様へのCSメモ納品は、納品担当者が「納品ボックス」納品の際に納品します。担当リライターから別々に受け取ったCSメモは、プロジェクトとしてできるだけまとめたCSメモとします。また、これをメーリングリストに掲載します。

「CSメモ」の記載内容はどのようなものでも構いませんが、納品に際してお客様に伝えることでよいサービスにつながる情報としてください。
◎発言内容が事実と異なる場合などについて訂正し、反訳原稿として入力した情報の提供などをする場合
・・・発言内容に「疑わしい内容」があり、これを調査して確定できなかった場合、その旨についても記載します。
◎発言内容が資料と異なる場合など、最終的に反訳原稿として入力した情報の提供をする場合
・・・決算の数字の取り扱いなどについて。
・・・資料の表記と異なる「JRGA標準」、「JRGA辞書」の採用については記載する必要はありません。
◎録音不良について、特に説明をしたほうがよい場合
◎反訳不能箇所について、特に説明をしたほうがよい場合
◎特別表記について、特に説明をしたほうがよい場合
・・・歌などを歌っている場合、(歌)と入力し、歌詞を括弧書きとした・・・など。
・・・途中で書類作成、アンケート記入などをしている場合、(アンケート)、(書類作成)など左詰めで入力します。
・・・発言者処理で特にわかりやすくするための表記などについて。
◎パソコン入力できない文字について、特に説明をしたほうがよい場合
・・・例えば、古文書の説明でパソコン入力できない文字がありましたので、片仮名表記をしました・・・などとします。
◎ファイルの作り方について、特に説明をしたほうがよい場合
・・・ファイル名の指示がある場合、「納品ボックス」納品ができないため、プロジェクト番号及び末尾の「納品コード」を入力してあることなど伝えるなど。
(2016年5月から)表外字による特例熟語表記について(CSメモ記載漏れは誤表記「★」一つに換算)
(1)平仮名表記特例熟語
・・・ざんき、いもち、かたぎ、まじめなど
ただし、「とてつもない、めちゃくちゃ、やたら、おしゃれ、まね、いかが」など、既に広く平仮名表記されているものは除きます。
(2)平仮名まじり特例熟語
・・・急きょ、殺りく、ぜい肉、けい線、けんしょう炎、垂ぜん、ぐれん隊など
(3)初回のみ読み仮名併記特例熟語
・・・愛嬌(あいきょう)、縷々(るる)、脆弱(ぜいじゃく)、瑕疵(かし)、界隈(かいわい)など
(4)全て漢字表記とならない特例四字熟語
・・・和気あいあい、青天へきれきなど
◎その他


★★★CSメモのファイル名について★★★
「納品ボックス」では、ファイルをアップロードする際に、最初の文字が「プロジェクト番号」(半角)であることが必要になっています。
「csmemo」となっているファイル名の頭のほうに半角で「プロジェクト番号」及び「枝番号」、さらに末尾に「納品コード」を
RG123-4-csmemo_****
のように付けてプルーフリライターの「JRGAボックス」にアップロードしてください。

以下の点に注意してください。
(1)最初に「CSメモ」及び「ファイル名」を入力します。
サンプルファイルを参照してください。
ファイル名は「おこしれん」プロジェクト番号とオリジナルファイル名です。
オリジナルファイルにファイル名が長いものがあります。
(1)CSメモには、お客様に対する挨拶など不要です。
・・・お世話になります・・・など入力しません。
・・・よろしくお願いいたします・・・など入力しません。
・・・最後に、左詰めで「以上」と入力します。
(2)項目番号は「1」番から順番に反訳指定のフォントで記載します。
漢数字指定、全角・半角指定にご注意ください。
反訳原稿と同じようにCSメモも入力します。
半角指定の場合、「CS」も半角となります。
(3)当該個所を説明するに際して、ページ数を入力せず、担当音源の時間を記入します。ファイル統合などでページ数は変化します。
サンプルファイルを参照してください。
・・・当該個所を示す場合には、音源の時間(10秒単位でOK)を併記します。
・・・10:20・・・・のように記載しておきます。
(3)複数のCSメモを統合する場合、ファイルが異なる場合には、「CSメモ」と「ファイル名」を入力してから、それぞれ「1」番からの入力となります。


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